外国人雇用で必要な届出義務と手続き|雇用主が知るべき入管・ハローワーク対応

おはようございます。
本日も当事務所のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

本記事では、外国人を雇用する際に意外と見落とされがちな届出義務について、雇用主・外国人本人それぞれの立場から分かりやすく解説します。

目次

はじめに:外国人雇用と届出義務の基本

外国人を雇用する際には、雇用主・外国人本人の双方に届出義務があります。
しかし実務の現場では、こうした届出が「知らなかった」「対象外だと思っていた」というケースも多く、後々ビザ更新や在留資格の審査でトラブルになることもあります。

本記事では、行政書士兼社労士の立場から外国人雇用時に見落とされがちな届出手続きを、雇用主と外国人本人それぞれの視点でわかりやすく解説します。

各行政機関への届出義務とは

日本の法律(入管法・職業安定法など)では、外国人を雇用する際に労使双方が所管行政機関に届出を行うことが義務付けられています。
代表的なものは以下のとおりです。

  • 雇用主:ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」
  • 外国人本人:入管庁へ「所属(契約)機関に関する届出」

これらはいずれも法律上の義務であり、怠ると指導や在留資格更新の際に不利益を受ける可能性があります。

雇用主が行う外国人雇用状況届出(ハローワーク)

届出が必要なケース

特別永住者および「外交」「公用」ビザを除く全ての外国人を雇用・離職させる場合、雇用主はハローワークに対して「外国人雇用状況の届出」を行う必要があります。

一般的な就労ビザ保持者はもちろん、留学生のアルバイトや短時間勤務者も対象になる点に注意が必要です。

実務上のポイント

  • 雇用保険の被保険者となる場合
     → 雇用保険の加入・喪失手続きで届出を代替できます。
  • 被保険者とならない場合(例:留学生アルバイト)
     → 別途、ハローワークへ「外国人雇用状況届出書」を提出します。

■ 参考:
厚生労働省|外国人雇用状況の届出について

外国人本人が行う「所属機関に関する届出」(入管庁)

外国人が転職・退職をした場合は、14日以内に入管へ「所属(契約)機関に関する届出」を提出しなければなりません。

この届出を怠ると、次回の在留資格更新時に在留期間が短縮されるなどの不利益を受けるケースがあります。
特に転職後の届出忘れは非常に多く、実際に「許可は下りたが、期間が1年に短縮された」といった報告も見られます。

■参照:
出入国在留管理|所属(契約)機関に関する届出

💡 雇用主からも「転職時は入管への届出が必要ですよ」と一言かけていただくと、トラブル防止につながります。

会社移転・名称変更時の届出も忘れずに

意外と見落とされがちなのが、会社の本店移転や法人名変更時の届出です。
登記や税務署への手続きは済んでいても、「入管への届出は不要」と誤解している企業が多くあります。

実際には、雇用されている外国人本人が入管へ「契約機関の名称変更・所在地変更・消滅の届出」を行う義務があります。
この手続きを怠ると、入管の記録上、雇用先と在留カードの情報に不整合が生じ、更新審査時に影響が出る場合もあります。

📎 参照:
出入国在留管理庁|契約機関の名称・所在地変更

💡 企業としては、移転や商号変更時に外国人従業員へ「入管への届出が必要です」と案内することが望ましいですね。

結論~行政手続を正しく行うことが信頼につながる~

届出義務は一つひとつは小さな手続きですが、いずれも法律上の義務です。
期限を守って正しく届出を行うことは、行政からの信頼を得ると同時に、企業のコンプライアンス体制の強化にもつながります。

外国人雇用の届出や在留資格手続きでお困りの際は、当事務所までお気軽にご相談ください。
行政書士兼社労士が、貴社の外国人雇用を法令遵守の観点からサポートいたします。


最後までご覧いただきありがとうございました。

八木/ひまわり国際社労士・行政書士事務所

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